「女将酒場その参」の巻

東京は奥多摩、駅前の小路にポツリポツリと小さな店が。夕暮れ赤提灯に明かりが灯る。居酒屋「きみちゃん」開店の時間だ。ドラマ「深夜食堂」を彷彿させるカウンターだけの小さなお店。カウンターに6人も座ればもう満席で、テレビカメラも入る隙間もありゃしない。奥多摩きっての憩いの場、いや止まり木といったところであろう居酒屋さん。開店と同時に見慣れた顔でカウンターはすぐに一杯、家族以上に家族のような会話で、店主きみちゃんを介し、常連客同士で毎夜盛り上がるワケでして。

ザ・女将さんといった風格の店主「きみちゃん」
これは定番メニューなのか?
何気に豊富なメニュー

ホワイトボードに書かれた「今日のおつまみ」この店のメニューはすべて時価。もちろんドリンクメニューすらございません、ある意味、一見(いちげん)さんには、いくらするのかもわからず、ちょっと敷居が高い、そんな店。とはいうものの、そこは超ローカル奥多摩プライス、え?これだけ呑んで食べてこの値段?「おかみさん大丈夫?やっていけるの?」と、つい失礼なことを口に出してしまう程に安いのだ。リーズナブルだとかコスパだとか、ましてやFLがどうだなんて御構い無しな「アンビリーバブルプライス」とでも言いたくなるようなお勘定。そりゃあ毎晩地元のおっちゃんたちが来たくなるわな、まあ他に行く店も数軒あるか無いかの田舎町だしね。

いいねえ、こういう飲み屋はやっぱメザシっしょ?笑
一見さんもカウンターで隣の客と語らえば、すっかりその日から常連気分

赤提灯に誘われて、ふらりと立ち寄った、ここ「きみちゃん」。あまりの居心地の良さと安さ故に、ヘベレケになるまで呑んだ挙句、2時間かけて都心に帰る気力も失せ、店主「きみちゃん」に、近所の民宿に宿を取ってもらいチェックイン? 布団の中で爆睡、翌日お礼を言いに行こうものならまた呑んで泊まって、また呑んで。奥多摩無限ループに陥るという顛末。まあ小生、都合のいいことに、パソコンあればどこでも仕事ができるワケだし、飲み代、宿代、なにせ物価がクソ安い。この際、このまま空き家見つけて住み着いてやろうか? 人も空気もいいしね、なんて危うく奥多摩から脱出できなくなるところでしたとさ。