大森町「はなれの梅林」

東京・品川から神奈川県・横浜を抜け三浦半島まで走る、赤い車両の京浜急行。品川~蒲田間の各駅停車しか停まらない梅屋敷駅で、ダントツの人気を博す大衆居酒屋「梅林」。ドミナントで展開する「梅林」の4店舗目となるのがここ、梅屋敷駅から、ひと駅隣の大森町駅前にこのほどオープンした「はなれの梅林」だ。ピーク時には広い店内が満席となり、ウエイティングになるほど、地元客を中心に早くも賑わいを見せている。

SNSで拡散し、飲食業界で話題の焼酎「泥亀」の生みの親である野村勇氏、通称「泥亀仙人」からLINEで「ノンちゃん、梅屋敷の隣の大森にええ店あるんよ」と、いまいち具体的ではないお誘い。おそらく「泥亀」が飲める良い酒場であろうと察し、酒の誘いは断れない性分にて早速、向かうことに。というか、大森の店ってどこだ?

道中、LINEのやり取りをしながら、JRの大森駅ではなく京急の大森町駅であることが判明。しかしながら駅前の居酒屋というだけで、誘った本人が店名を忘れたらしく分からない。仕方ないのでとりあえず大森町駅で待ち合わせ。すると仙人から「違う電車に乗ってもうて遅れます」と連絡が入る。

思えば京急にはよく乗るものの、この駅はいつも通過するだけで下車した覚えがない。せっかくなので街歩き、飲み歩きマニアの私は大森町駅前をぶらり散策することに。駅の改札を出るとすぐに一際目立つ居酒屋を発見、19時ですでにウエイティングが出ている。どんな店かとのぞいてみると、棚にずらりと並ぶ「泥亀」ボトル。今日飲む居酒屋はここだと一発でわかった。程なくして仙人登場、店名を忘れたという割に、しっかり2人で予約していたらしくウエイティングのお客さんを横目に入店。

旬な野菜の炉端焼きが旨い!
泥亀仙人メニューを眺める

早速、ビールと「泥亀」をボトルで注文しまずは乾杯。威勢のいいスタッフさんと旨い肴、仙人が言うように確かに良い酒場だ。ほろ酔い気分になってきたところで「キンミヤ焼酎」のボトルを「バイス」で割って飲んでいた粋なご夫婦が「その黒いボトル気になってるんですが、なんというお酒ですか?」と、声をかけてきた。ここぞとばかりに仙人がいつもの方言交じりの早口で説明をはじめると、すっかりご夫婦と意気投合。仙人からは「泥亀」のソーダ割りを、ご返杯にと、ご夫婦が飲む「バイス」をいただく。意外にも「バイス」は初めてだったらしく、物珍しそうに飲んではみたものの、小声で「甘いんやね、泥亀はソーダかお湯割がええな」と呟いていたのが少しウケた。

梅屋敷「梅林」の看板娘も仕事上がりに乾杯!

我々の逆隣のカウンター席に、梅屋敷の「梅林」で働いているというスタッフさんも会話に加わり、大盛り上がりの宴となった。仙人が言う通り、確かにこの店は「良い酒場であり酔い酒場」だな、などと思いつつ酩酊寸止め、今日のところはお開きということで。

お客さんとスタッフさんでハイポーズ


取材協力

はなれの梅林

東京都大田区大森西5-10-10

03-5763-5311

「日本外食新聞」ソトスマ2019年8月5号掲載