ノンアポひとり旅

二日酔いの朝。ふと、うまい蕎麦が食べたくなり、勢いで東京駅から上越新幹線に乗り込んだ。行き先は新潟県の十日町。ここは、魚沼産のコシヒカリに地酒、そして「小嶋屋総本店」をはじめ、へぎ蕎麦が有名な街。東京駅から新幹線で越後湯沢、ローカル線に乗り換え2時間程の思いつきの小旅行を敢行した

十日町といえば「へぎ蕎麦」

 東京でもへぎ蕎麦は食べれるけれど、やはり本場は格別ということで、二日酔いの勢いを借りて十日町へと始発で向かう。東京駅で駅弁とビールなんてものは邪道だ。新幹線で1時間半ほど飲み食いを我慢すれば、新潟・越後湯沢に着くわけで、わざわざいつでも購入できるカツサンドやビールなんてもったいない。ということで、越後湯沢までは飲み食いせずに、ひたすらSNSで時間を潰す。

 十日町まで行くローカル線に乗り換える際に、越後湯沢で途中下車。駅ナカスポットの「CoCoLo湯沢」でますは寄り道、迎え酒のスタートだ。ここは、地元新潟の特産品や土産物をはじめ、専用コインを購入して日本酒の唎き酒が出来る「越後のお酒ミュージアム ぽんしゅ館」や「酒風呂」なる、日本酒の温泉まであり、なかなか楽しめるのだ。

旅のお供に

 早速、「ぽんしゅ館」で、新潟の地酒の唎き酒を開始。銘柄にもよるが、500円でお猪口で3~5杯分は楽しめる。まあ、ガッツリ飲むのではなく、あくまで唎き酒ですからね。なんていいつつ、あれも飲んでみよう、これも気になる、なんてグイグイやっているうちに、二日酔いの迎え酒ということもありエンジン全開になってきた。このままでは、酔っ払って十日町までたどり着けなくなりそうなので、「柿の種」と地酒「鶴齢」を買い、ローカル線に乗り込んだ。

十日町の地酒「松乃井」
老舗「小嶋屋総本店」で
天ぷらと「松乃井」

 ホロ酔い加減で、なんとか十日町駅着。そこからローカル線のバスに乗り、お目当のへぎ蕎麦の老舗「小嶋屋総本店」へ。天ぷらをつまみに地酒「松乃井」をチビリチビリ。〆というかメインのへぎ蕎麦を啜り目的達成。

温泉浸かって「どばし」さんで飲み直し
親父さん、女将さん
地元のお客さんとまったり

徒歩圏内の天然温泉「千年の湯」に浸かり、旅の疲れを癒しながらアルコールを抜いた気になり、温泉の向かいの寿司割烹「どばし」で飲み直し。時刻はまだ18時を回ったところ。ご主人とカウンターの地元客と、夏も終わり稲刈り、そしてまた長い冬になり、雪に埋まるこの街の話を伺いながら夜は更けて行き、飲み続けた日本酒で私の意識も更けて行くのであったとさ。

稲刈りが終わると秋本番
そして雪国へと姿を変えていく

「日本外食新聞」ソトスマ2019年9月25号掲載