ヨロ研通信vol.32

埼玉県さいたま市で、日本では普及していないヨーロッパ野菜や珍しい野菜をレストラン向けに栽培している「さいたまヨーロッパ野菜研究会(ヨロ研)」。ちょっと見慣れない野菜と、栽培している若い農家さんたちを紹介します!

今週のお野菜 フリルが可愛いミニ野菜「プチヴェール」

緑色のほか、葉の内側が赤紫の「ルージュ」、白い「ホワイト」もあります

葉ボタンを小さくしたような、フリルのついた可愛い葉が特徴の「プチヴェール」。芽キャベツとケールを掛け合わせた品種で、ひと口で食べられるミニサイズ。ここ数年、人気が急上昇している新野菜です。

芽キャベツが畑でなっている姿を見たことがありますか? ない方は「芽キャベツ 収穫」で画像検索してみてください。なかなか衝撃的ですよ。プチヴェールも同じように、葉ボタンのような大きな葉の茎に、脇芽の小さな葉がたくさん付きます。これを収穫したものがプチヴェールです。

見た目が可愛いうえ、糖度が11~13度と果物並みの甘さがあるので、レストランでは肉料理の付け合わせなどに人気です。今年はとくに品薄で、ヨロ研も一部注文をお断りするほどの状態です。

ケールがご先祖なので、栄養価もすごい。カルシウムは牛乳の4倍、カロテンはかぼちゃの6倍、ビタミンCや鉄分、食物繊維も豊富です。

茎についた脇芽を収穫します

ヨロ研でいちばん栽培しているのは木村さん。プチヴェールは8月に苗を植えて、茎が折れないように1本1本支柱を立てたり、脇芽が出やすいよう、こまめに葉を掻きとったり、とても手間がかかります。収穫は12月から3月くらいまで。手がかじかむ寒い時期、触ってサイズを見極めながら、ひとつひとつ収穫します。

調理のコツは、火を通しすぎないこと。茹でるなら1分ぐらい。少量のサラダ油を入れると、より色鮮やかに茹で上がります。

木村さんによると「素揚げが一番美味しい!」葉の水分をよく拭いてから、低温でじっくり揚げます。外葉はカリカリ、芯の部分はとても甘く、ビールのおつまみに最高だそうです。

さいたまヨーロッパ野菜研究会 事務局 福田裕子

あちこちで野菜と農業の話をしているので「本当は何者なんですか?」とよく聞かれますが、本業は中小企業診断士です。