ヨロ研通信vol.45

埼玉県さいたま市で、日本では普及していないヨーロッパ野菜や珍しい野菜をレストラン向けに栽培している「さいたまヨーロッパ野菜研究会(ヨロ研)」。ちょっと見慣れない野菜と、栽培している若い農家さんたちを紹介します!

今週のお野菜  森田さんのファーベ

森田さんの畑で、ファーベ(イタリアそら豆)の収穫が始まりました。

日本のそら豆よりも細長いさやに、小ぶりの豆が、多いものだと5~6個も並んでいます。

たくさん入っているとうれしい

日本では大粒のそら豆が好まれますが、イタリアではあえて未熟の小さいそら豆を出荷します。なぜかといえば、生で食べるから。

イタリアでは5月1日に、生のファーベとペコリーノ・ロマーノという羊のチーズ、赤ワインを楽しむ習慣があるそうです。

そしてやっぱり、たくさん入っているとうれしい

私もファーベの魅力に憑りつかれた一人で、森田さんのファーベが穫れ始めたと聞くと、豆ドロボウに押しかけます。

日本のほくほくした大粒のそら豆も美味しいですが、若穫りのファーベは生で皮ごと食べるとほろ苦く強い香り。皮をむいた小さな実は甘くジューシーで、そこにミルクの風味と塩気の強いペコリーノ・ロマーノを組み合わせて噛みしめると…って思いだすとそれだけで赤ワイン飲みたくなっちゃう。悪魔の組み合わせです。

ペコリーノ・ロマーノとファーベ
お好みでオリーブオイルをつけて

ヨロ研でファーベを栽培しているのは森田さん1人。とても美味しいファーベですが、生で食べられるのは収穫してから2,3日が限界。収穫期も2、3週間であっという間に終わってしまうので、なかなか大量に流通しないのです。それだけに旬のありがたみを感じます。

畑の様子
さやの細長さが日本とずいぶん違います

もちろん加熱しても美味しいので、この時期レストランではさやごとオーブン焼きにしたり、ペコリーノと合わせてパスタの具にも使われます。

イタリアでは、完熟して乾燥したファーベもよく使います。水でもどして茹でて、玉ねぎ、オリーブオイルと煮て仕上げたペーストは、南イタリアでよく食べられている料理です。乾燥のそら豆が手に入ったら作ってみてください。

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さいたまヨーロッパ野菜研究会 事務局 福田裕子

あちこちで野菜と農業の話をしているので「本当は何者なんですか?」とよく聞かれますが、本業は中小企業診断士です。