ヨロ研通信vol.46

埼玉県さいたま市で、日本では普及していないヨーロッパ野菜や珍しい野菜をレストラン向けに栽培している「さいたまヨーロッパ野菜研究会(ヨロ研)」。ちょっと見慣れない野菜と、栽培している若い農家さんたちを紹介します!

今週のお野菜 アーティチョーク

旬の短い春野菜の中でも、ファーベと並んで旬が短い野菜、アーティチョークの蕾が付きはじめました。

ヨーロッパに住んだことのある方からは、よく「アーティチョークを買いたい」というお問合せをいただきます。日本では輸入の瓶詰や缶詰が出回っていますが、生のものを調理したことのあるかたは少ないでしょうね。

アザミの仲間で、硬い蕾の内側だけを食べます。ほかの何に似ていると聞かれても困っちゃうのですが、生のものを調理したアーティチョークは、一度食べると虜になる美味しさです。

イタリアではカルチョーフィと呼ばれ、冬から初夏ごろまで長い間収穫されます。日本では気候の違いから、春と秋にそれぞれ1~2週間程度、一気に蕾がついて一気に花が咲き、旬が終わってしまいます。

アーティチョークの花。大輪でとても綺麗です

一気に咲いて一気に終わってしまうため売りにくいのと、アザミの仲間なのでトゲが多く収穫が大変、さらにアブラムシがめちゃくちゃ付きやすく病気になりやすいので、日本で栽培している生産者はごくわずかです。ヨロ研では、メンバーが試験栽培程度に少しだけ栽培しています。

ひと株で2Mくらいあります。巨大!

アーティチョークの食べ方はいろいろありますが、まず下処理。外側の硬い「がく」をむき、先のとがった部分も切り落とします。アクが強いので、レモン汁に浸してアクをとります。

イタリアでポピュラーなのは「ローマ風」と「ユダヤ風」の2つの食べかた。ローマ風は、下処理した蕾に薄切りのニンニクやミントを詰め、オリーブオイルと水で蒸し煮にします。

ローマの食堂で出てきた「ローマ風カルチョーフィ」

「ユダヤ風」は、下処理した蕾をまるごと素揚げにします。パリパリに揚がったら塩を振って完成。

手間がかかるわりに食べるところが少ないし旬も短いので、日本でいうと筍や山菜みたいだな~、と毎年思いながら食べています。

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さいたまヨーロッパ野菜研究会 事務局 福田裕子

あちこちで野菜と農業の話をしているので「本当は何者なんですか?」とよく聞かれますが、本業は中小企業診断士です。