ヨロ研通信vol.44

埼玉県さいたま市で、日本では普及していないヨーロッパ野菜や珍しい野菜をレストラン向けに栽培している「さいたまヨーロッパ野菜研究会(ヨロ研)」。ちょっと見慣れない野菜と、栽培している若い農家さんたちを紹介します!

今週のお野菜 なめちゃんの筍

突然ですが「筍(たけのこ)」って、英語で何というかご存じですか?

以前、海外のお客様に聞かれて、えーと何だろ、リトルバンブー?とか適当なことを言ってごまかしたんですが、正しくはbamboo shoot(バンブー シュート)。

Shootには「芽を出す」という意味があります。

1㎏前後が美味しいサイズ

筍はもともと中国やアジアで食べられていて、ヨーロッパではなじみがない食材です。ヨロ研でも最初は扱いがなかったのですが、「たまたま」関根なめちゃんの家の裏に竹林があって、「たまたま」シェフに使っていただいたら好評だったので、以来、毎年レストランと地元直売所に出荷しています。毎回、一瞬で完売です。

今年は暖冬の影響で、筍がいつもの年より早く出てきています。

地面から出ている部分はすぐに硬くなってしまうので、ほんの少しだけ地上に出ているものを、専用の鍬で掘り起こします。

これぐらい出てきたら収穫サイズです

土の中には硬い地下茎が張っていて、筍の根元から掘るにはかなりの力が要ります。最盛期には、1日に220㎏もの筍を収穫するそうで、1個1㎏だとしても220個!

「春になると腰痛がひどくなります」なめちゃん、腰をいたわってね。

筍専用の鍬。使い込まれてます

竹林はしっかりと管理することで、より美味しい筍ができます。シーズンオフには、古い竹を伐採して間引き、新しい筍が芽を出しやすいようにしてあげるそうです。

よく手入れされた竹林。綺麗ですね

なめちゃんのお父さんいわく「筍は掘ってから2時間以内に茹でろ」。掘り起こした瞬間からどんどん硬くなっていくので、スピードが勝負です。去年は朝掘った筍を、卸問屋さんがお昼までに都内のレストランに運んで大好評だったと伺いました。 茹でた筍は筍ご飯や若竹煮が定番ですが、意外と洋食にも合います。特にバターやチーズ、生クリームと相性が良いので、パスタなどに使ってみてください。

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さいたまヨーロッパ野菜研究会 事務局 福田裕子

あちこちで野菜と農業の話をしているので「本当は何者なんですか?」とよく聞かれますが、本業は中小企業診断士です。